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2007年04月01日
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| ■ お金儲けの先にあるもの |
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| 私が今一番関心があること、それは地球です。 |
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| アル・ゴア元米国副大統領の活動を描いたドキュメンタリー映画「不都合な真実」を見られたでしょうか?まだご覧になったことの無い方は、同名の書籍もありますので、是非この機会にご覧になってみて下さい。この中に描かれていることは、おそらく紛れもない真実で、そしてその題名のように、我々先進諸国の人間にとっては極めて「不都合」です。 |
| 日本にある「地球シミュレーター」と呼ばれる世界最速のスーパーコンピュータが弾き出した計算によりますと、今のままのエネルギー消費と人口増加が継続するならば、今から20年後には、地球温暖化により北極海の氷が全て溶けてしまい、海面が5m上昇すると予想しています。 |
| この5mの海面上昇がどれくらいのものか想像できるでしょうか?例えば、関東平野で言えば、横浜から江戸川区までの広範な湾岸地域全域、および墨田区、葛飾区、荒川区、足立区はもちろんのこと、荒川と江戸川流域にある埼玉県のほぼ全域が水没し、房総半島は利根川で分断されて島になります。名古屋も大阪も福岡も広島も岡山も新潟も札幌も(もっとあるが書ききれない)、日本の平野部に存在する都市の大半が水没してしまいます。日本だけではなく、世界の主要都市の大半は海抜10m以内の平野部や河口デルタに集中していますので、世界の都市機能は完全にマヒします。そういう恐ろしい状態が、このままですとわずか20年後にやってこようとしているのです。そういう地球を、我々は次世代の子供達に残そうとしているのです。 |
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| なぜこんなことをここで書いているのかと思われるかもしれません。相場でお金を儲けることを考えているときに、地球環境のことなんか関係無いと思われるかもしれません。あるいは、今後も人口増加が続いてエネルギー消費が増えるなら、ジムロジャーズのバイ&ホールドの商品ファンドを買っておくのが良いと考えられるかもしれません。 |
| 実際、昨年はエネルギー価格が高騰し、代替燃料として注目されたアルコールの原料として、コーンと粗糖の価格が高騰しました。その結果、ブラジルでは熱帯雨林を焼き払って、サトウキビ畑を増やしていますが、これは本末転倒も甚だしいことです。CO2を吸収してくれる熱帯雨林は、地球温暖化を防ぐためには非常に重要なものです。それなのに、環境に優しいと言われるアルコール燃料を生産するために、その熱帯雨林を伐採しているのです。なんという矛盾でしょうか。 |
| 森を伐採するのは一瞬のことですが、それを再生するには成長の早い熱帯雨林でも30〜50年は掛かります。熱帯雨林を伐採してサトウキビを生産している人々は、単にお金が儲かるからサトウキビを生産するだけですので、そういう理屈を言っても理解してくれるはずがなく、今日もまた、わずか1秒間にテニスコート20面分も世界の熱帯雨林が地球上から消失し続けているのです。 |
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| では、どうすれば根本的な問題解決が図れるのでしょうか。今の地球で起こっている問題の根源は個人の消費活動です。この100年の間に人口が爆発的に増加し、それに経済の拡大が拍車を掛けています。限られた地球上の天然資源を、われわれ人間が消費し尽くし、その結果として歴史上経験したことのない急激な温暖化を招いています。ですから根本的な解決には、人口の減少しかないのですが、残念ながらそれは現実論としてはかなわぬ望みです。 |
| 解決方法のひとつとして、今私が注目しているのは、国連環境計画金融イニシアチブ特別顧問の末吉竹次郎氏が提唱された「CO2資本主義」という考え方です。これは、企業の利益を、その利益を得るために費やした直接間接的なCO2排出量との比較で見るというものです。 |
| この新しい尺度が導入されますと、企業は単に利益を上げれば良いというだけではなく、どれくらい 地球環境に優しいやり方で利益を上げたかが重要になってきます。昨年はCSR(企業の社会的責任)に注目が集まり、ヨーロッパでは6000億円相当の環境ファンドが販売されたと言われていますが、CSRが非常に広範囲なものであるのに対し、CO2にのみ絞り込んだ基準であれば、焦点はより明確になります。 |
| 地球上で人間が消費する規模に比べれば微々たるものに過ぎないかもしれませんが、こうした金融の仕組みを利用して得た利益を、熱帯雨林再生に投入する仕組みを作っていこうと考えています。 |
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| 市場から利益を得ることは、決して悪いことではありません。しかし大切なのは、その先に何があるかです。その先にあるものが、個人の欲望を満たすための大量消費でしかないのなら、虚しい限りです。 |
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| <野川> |
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2007年01月13日
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| ■ 「2007年に読むべき本」追加 |
| 先日紹介した4冊に加え、次の書籍を推奨しておきます。この本は、本当に素晴らしい!絶対に読むべき本です。 |
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| 「森と生きる:稲本正」 |
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| この本は、現在の地球がおかれている全体像を的確にわかりやすく示し、我々が何をなすべきかの具体的提案をしてくれています。 |
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| 著者は岐阜県高山市の山奥で、実際に1974年から広葉樹の森造りを続けてきた方です。俯瞰的な視点で、日本、世界、地球、宇宙を眺めて、今のままの人類のあり方では、やがて破滅してしまうことにずっと前に気づいて、理論的な裏づけを元に、現在のオークビレッジの活動を続けておられます。 |
| http://www.oakv.co.jp/guide/guide.html |
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| HPではなかなかその意志が伝わってきませんが、今回紹介した書籍を読んで頂ければ、本当によくわかります。 |
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| 前回紹介した書籍は、この本への序章に過ぎないと思えるほどです。本に書かれていることは、みなさんの日々の暮らしと、決して関係の無い世界ではありません。きっと何かを感じ、それを活かすことができると思っています。 |
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| 今年は、こうした書籍の著者や、書籍に登場している人物に会ったり、紹介されている場所に実際に行ってみて、何かを掴んでこようと思っています。 |
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| それから、日本の文化についても、もっともっときちんと理解すべきだと気づきました。 |
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| 1/15号のPenにお茶の文化について書かれていますので、もし見る機会がありましたら、こちらも読んでみて下さい。単なる形式ではなく、本来のお茶の持つ深い意味がわかると思います。そして我々日本人は、ついこの前までは、そういう立派な文化を持続してきたのだということに気づき、はっとさせられます。 |
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| 今年は時間を作って、岐阜高山のオークヴィレッジの訪問、宮城県の牡蠣漁師さんの訪問を行いたいと思っています。そして森についての勉強、温暖化ガス排出権取引についての勉強を行い、NPO法人を立ち上げます。 |
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| やりたいこと、知りたいことがまだまだ山ほどありますね。生きていることに感謝、感謝! |
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| 野川 徹 |
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2007年01月04日
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| ■ 2007年に読むべき本 |
| 2007年に読むべき本 |
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| 我々の商売は、ある意味、他人の不幸でお金を儲けている商売です。例えばここ数年は原油を中心に商品の需給逼迫が続いていますが、モノが無くて価格が跳ね上がり、本当に困っている人たちを横目に見ながら、相場でいくら儲かったと喜んでいる、本当にあこぎな商売です。 |
| こうした考えは、多かれ少なかれ相場の世界に生きるものにとって、常に心の中に負い目として存在しているもので、それ故に自分達の存在意義を疑い、いったい何のためにこういう商売を行っているのかと悩んでしまいます。 |
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| ここ数年、こうした疑問をずっと心の中に抱き続けていたのですが、昨年私は、その答を知ることとなる不思議な体験をしました。その内容についてはここで詳しくは書きませんが、そのことにより、明確な意志を持つ人たちとの輪が広がり、今後の生き方の方向性を示唆する素晴らしい書籍と出会いました。今回はそういう書籍の紹介をさせて頂きます。 |
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| 「世界で一番いのちの短い国」山本 敏晴 |
| 「アフガンの彼女からの手紙」山本 敏晴 |
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| この二冊はNPO法人「宇宙船地球号」(HPはhttp://www.ets-org.jp/index.html)を運営しておられる山本敏晴さんが、国境無き医師団の一員として実際に現地で活動された時のことを書かれたものです。タイトルの重さとは異なり、非常に軽妙なタッチで書かれていますので、おそらく1時間程度であっという間に読み終えることのできると思います。是非ともお読みになってみて下さい。 |
| 軽妙なタッチではありますが、この本に書かれているシオラレオネやアフガニスタンという国々では、人の命はひたすら軽く、麻薬付けにされて殺人マシンに仕立て上げられた少年兵や、その国の経済活動を遅らせるために、わざと殺さずに手や足を奪ってしまうという卑劣な戦略等、これまで我々が聞いたこともないような驚愕の話が書かれています。この本を読めば、毎日ただ平穏無事に生きるということが、実はこれほど大変なことなのかということや、平和がいかに大切なものであるかを、考えずにはいられません。 |
| 平和ボケの毎日をお気楽に暮らしている我々日本人にとっては、正直なところ実感するのは不可能な世界ですが、それだけに余計に今のままで良いのかと考えさせられてしまいます。我々先進諸国に生きる人間と比較したとき、地球上に存在する同じ人間の命であるはずなのに、その重さの違いに唖然とすらしてしまいます。 |
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| アフリカの小国、シオラレオネでの活動を描いた「世界で一番いのちの短い国」では、こうした命のはかなさと尊さについて、山本さんが国境なき医師団の一員としての実際の経験を通じて感じられたことを書いてありますが、「アフガンの彼女からの手紙」の後半では、もっと大きな地球的規模の視点から山本さんの本音が吐露されています。 |
| そこには地球の人口推移のグラフが描かれており、直近200年(厳密には50年)での人口増加は「爆発」と言うに近い状態で、今のままの人口増加が続けば、やがて地球という閉ざされた生態系は立ち行かなくなり、それは地球的規模の戦争へとつながっていくという恐怖です。 |
| 横浜で開かれた彼の講演会に参加したときも、「私は医師ですから、目の前で死にそうになっている命があれば、どうにかして助けようとします。しかし一方で、地球の未来のことを考えたときには、本当にこれでよいのかと悩みます」。山本さんは、命を助けると同時に、これ以上人口を増やさないために、家族計画について教えることの必要性を感じ、その両方を現地で実行しておられます。 |
| 自らの命の危険もある決して安全ではない国において、こうした活動を実際に行っておられる方々がおられます。本当に頭が下がります。 |
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| もう一種類、別な書籍を紹介したいと思います。 |
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| 「漁師さんの森づくり」畠山重篤 |
| 「魂の森を行け」一志治夫 |
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| 今後、実際に次世代の地球のための何らかの活動を行っていきたいと考え、志を共にする人たちとNPO法人を設立しようという話になったときに、では具体的に何を目的とし、どういう活動を行っていくのかということで悩んでいたところ、ある方の紹介で「森林ファンド」というものに出会いました。 |
| 残念ながら、森林ファンド自体は、私が思い描いていたものとは異なっていたのですが、そこで知ったことは、NPO法人の設立目的を明確にすることに非常に役立ちました。その森林ファンドを知ったことで出会ったのがこれらの書籍です。 |
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| 私はスキューバダイビングがライフワークのようになっており、それくらい海と海に生きる生物が好きです。最初はただ海に潜ることがひたすら楽しいだけでしたが、海の生物の生態系を知るようになってくると、生き物の本質や存在意義の原点がわかるようなってきました。そしてその結果として、我々人間も、これまで地球上に生まれ、そして消えて行った多くの生物の中の一種でしかないということに嫌でも気付かされてしまうのです。 |
| 動物は、実は植物がいなければ生きていけません。この単純な事実にすら、我々は気付いていません。経済がどうのこうの、政治がどうのこうのと言う前に、もっともっと知らなければならない本質的なことがあるのです。 |
| 我々人間は、植物の世界をあまりに破壊しつくしてしまいました。人間以外の動物が、過去において一時的に行き過ぎた増加を示したことはありましたが、しかしこの程度のことであれば、自然の摂理の前にすぐに調整され、バランスが保たれます。しかし我々現代の人間が行っていることは、そうした自然の調整機能をはるかに上回る規模の破壊であり、今のままでは修復は不可能な状態になってきているのです。 |
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| 「漁師さんの森づくり」は、宮城県の三陸に住む牡蠣漁師である畠山さんが、海の中が荒れてしまい、牡蠣が取れなくなったことから、その原因は森の衰退にあることに気付き、海を豊かにするために森に木を植えるという話です。森に大漁旗がたなびくシーンは圧巻です。「森は海の恋人」というキャッチフレーズが登場しますが、まさにその通りだと思います。畠山さんの活動を通じて、山の民と海の民の交流が始まり、太古の人々が辿ったであろう山と海のつながりが、現代に甦ったように感じます。小学生でも読めるように平易な文章で書かれていますし、イラストも沢山ありますので、あっという間に読めると思います。 |
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| 「魂の森を行け」はその副タイトルに「3000万本の木を植えた男の物語」とあるように、植物学者の宮脇昭さんの活動を描いたものです。宮脇さんという人は、まるで江戸時代に日本地図を作成した間宮林蔵のように、日本全国を実際に歩き回って植生の調査を行い、持論に基づき、鎮守の森を再生するために木を植え続けている人です。 |
| この本を読めば、我々が現在見ている森は実はニセモノの森であり、本来あるべき森の姿に戻さない限り、生態系が再び豊かになることはないということがわかります。しかし、実際に世界中で行われていることは、こうしたこととは全く逆のことであり、そのことが森だけでなく、森に続く河川を駄目にし、そして最終的に海を駄目にしています。 |
| 我々動物は植物に生かされており、人類が植物との共生を真剣に考えない限り、地球における生き物の未来は絶望的だと思います。 |
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| 今回紹介した書籍を読めば、地球上における人口の爆発とそれに伴う生態系の破壊により、食料やエネルギー、水といった資源の争奪戦が、あと数十年以内に確実に起こることが誰にでも理解できます。短絡的に考えれば、だからジムロジャーズの商品ファンドは買いだということになるのかもしれませんが、それでいくらお金を儲けても何の救いにもなりません。あと数十年で極限状態がやってきて、いくらお金があってもモノが買えない状態になるからです。 |
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| 戦後の50年を生きてきた我々は、本当に幸せな時代に生かさせて頂いていると思いますが、次の50年を生きなければならない次世代の子供達は本当に可哀想なものです。シオラレオネやアフガニスタンは、もはや日本人にとっても異国の出来事ではなくなるはずです。 |
| 今の幸せな時代に生きている我々ができることは、先進諸国の人口を増やさないことと、山に広葉樹を植えて昔ながらの鎮守の森を再生し、海を再生することだと思います。 |
| 食物連鎖のピラミッドを考えたとき、近代においては人類が全ての生物の頂点に立っていますが、その人類の中においても更にピラミッドは存在しており、アフリカの最貧国における一人と、先進諸国における一人では全く意味が違います。先進諸国の住民である我々日本人の人口が一人増えることは、おそらくアフリカの最貧国の人口が数十人増えることに匹敵するぐらいのインパクトを、地球の生態系にもたらすはずです。 |
| そう考えたとき、先進諸国の人口が米国を除き減少傾向にあるのは、非常に好ましいことであり、これが見えざる神の手として働く、自然界の摂理なのかもしれないと思います。日本国政府は、人口減少問題を国家の危機と考えているようですが、先進国の人口が減少するのは地球的規模で考えたときには非常に好ましいことであり、この傾向が続くことを私は歓迎しています(我々の老後が厳しい状態になるのは、これまで幸せに生きてきたことの反動ですから仕方ありません)。日本国政府が見習うべきは、大量生産、大量消費の文化を拡大する米国ではなく、人口と経済と生態系のバランスを保った社会を構築している北欧の国々(中でもスウェーデン)のあり方なのではないでしょうか。 |
| 経済規模だけでは本当の豊かさは測ることはできません。何が本当の豊かさであるかの尺度は人それぞれなのでしょうが、少なくともこれまで述べてきたようなことを知ってしまった私にとっては、本当の豊かさは、お金や資産の多さだけでは定義できるものではないと断言できます。 |
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| 人は、この世に生を受けた瞬間に、死という宿命を背負います。これまでこの世に産まれた人間の中で、死を迎えなかった人は誰もいないのです。皮肉なことですが、命には必ず終わりがあるということを本気で理解した時から、おそらく豊かな人生の第一歩が始まるのではないかと思っています。 |
| 山に木を植えて豊かな海を取り戻すには、最低でも数百年以上の時間が必要です。仮に山に木を植えて森や海が再生したとしても、その時には自分が生きていることはないでしょう。しかしそれでも、今生の自分の人生のためではなく、地球という奇跡の星の未来のために、私達人類は木を植える必要があるのだと思います。それを今始めない限り、やがて50年後か100年後の未来には、地球という生態系が浄化作業を始め、現在の人類を地球上から抹殺してしまうことになるでしょう。これまで地球誕生以来45億年間、そういうことを繰り返して、地球は宇宙の中に存続してきたのです。 |
| 我々人類が地球の支配者であると考えているなら、それは愚かなことです。地球という生態系は、人類など存在しなくても、いや人類が存在しない方が、ずっと良いバランスを取って存続し続けるのです。私が、相場という仕事の存在意義を疑う以上に、地球上における今の人類の存在意義は疑わしいものになっています。 |
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| 相場でお金を儲けることが最終目的であったとしたなら、それは全く意味を持ちません。しかしお金を儲けるということが、より高い次元の目的を実現するための手段であるなら、意味が違ってきます。そう考えるなら、相場という職業は悪いものではないのかもしれません。 |
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| 最後に、みなさんにこの言葉を贈りたいと思います(これは草薙君主演の「僕の生きる道」というドラマの中で使われていた言葉です。このドラマも生きることの意味を考える上でお勧めです)。 |
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| 「たとえ明日、世界が滅亡しようとも、今日、私は林檎の樹を植える」(マルティン・ルター) |
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| (野川) |
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2006年05月28日
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| ■ 白金買占めなのに、なぜ逆鞘が拡大するのか? |
| 会員の方から、下記の質問を頂いたのですが、この内容は他の会員の方々にも |
| 是非お読み頂きたいと思い、私のコラムで公開させて頂くことにしました。 |
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| N様 |
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| いつもお世話になります。野川です。 |
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| 下記に質問いただきましたので、回答させて頂きます。 |
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| > トレードウィザードさま |
| > |
| > いつも会員週間レポートを有意義に拝見させていただいております。 |
| > 以下の2点を質問させてください。 |
| > |
| > @今週の注目銘柄「白金の中期売買法買い」の中で、先限の |
| > 取組高が増えているのはさや取りポジション解消が原因との |
| > ことですが、この解消されてるさや取りポジションとはどんなもの |
| > なのでしょうか? |
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| 私の配下のディーラー達も沢山組んでいましたが、先限を売り、手前の限月を買 |
| うというブルスプレッドが多く組まれていました。当然、私が組んだように、そ |
| の反対のポジションもあったのですが、これくらい鞘が動きますと、いずれにせ |
| よ鞘取りを狙ったポジションが増加します。これらのポジションが、利食い、損 |
| 切りに動いた結果、値動きによる手仕舞いだけではなく、鞘の変化による手仕舞 |
| いが発生しました。 |
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| > Aまた、先週のレポートで同じく「白金のベアスプレッド」の欄で |
| > 行き過ぎた逆ざや水準の原因は投機筋による現物買占めに |
| > 起因する需給逼迫とのことでしたが、通常は現物買占めに |
| > よる需給逼迫の場合は、供給不安により期先が買われると |
| > 思ってしまうのですが、なぜ期先が売られてしまうのでしょうか? |
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| N様が疑問に思われるのは当然のことだと思います。確かに、日本独特の構 |
| 造である、投機が先限中心に入るという市場では、買占めが進みますと、いつか |
| は投機人気により先限がオーバーシュートします。 |
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| しかし海外では、売買の中心は期近限月ですので、買占めは即座に期近高につな |
| がります。ブル(強気)スプレッドという呼び名も、強気相場では期近が買い上 |
| げられるところからきています。 |
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| 白金や金は、ほぼ完全に海外市場(ドル建ての24時間現物市場)の値動きに(鞘 |
| も含め)リンクしますので、海外市場での現物買占めの影響は、そのまま鞘にも |
| 反映されてきます。ですから期近が高くなる逆鞘が拡大するのです。決して先限 |
| が売られるわけではなく、期近限月の方が更に買われるというだけの話です。 |
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| ただ、それでも日本国内の大衆投機パワーが、商社のヘッジ売りに勝ると、商社 |
| といえども建て玉規制という枠がありますので、それ以上は売れなくなり、日本 |
| だけは歪んだ鞘が発生します。最近はこれが多く見られたので、今回もそうなる |
| だろうという読みでベアスプレッドを仕掛けたのですが、思惑が外れました。や |
| はり限月間鞘取りの基本である、大衆が買いついたエネルギーに対して、売り向 |
| かう方が安全だということですね。 |
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| 先限に売買が集中する日本市場のイメージでは、ブル(強気)スプレッドとベア |
| (弱気)スプレッドの呼び名のイメージが逆転するので変な感じですが。 |
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| おわかり頂けましたでしょうか? |
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| 次回のセミナーでは、海外市場と国内市場の違いも含め、こうした話もする予定 |
| でいます。 |
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| 野川 |
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2006年05月07日
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| ■ バックアジャストつなぎ足について |
| 今回は、先限つなぎ足と、バックアジャストつなぎ足との差異についてユーザーの方から質問を頂きましたので、その回答を皆様にも公開させて頂きます。 |
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| -------------- <質問> -------------------- |
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| 野川先生 |
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| いつもお世話になっています。 |
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| 今回は、先限つなぎ足とバックアジャストの相違についてご質問をさせて頂きます。 |
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| 東工ゴムの分析・観察をいまだ継続していますが、ETで一目均衡表を描画したこところ両者の相違に気が付きました。一目均衡表で可也大切な箇所である遅行線と先行スパン1の関係に顕著な違いが顕れました。 |
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| 先限つなぎ足では、遅行線が先行スパン1に2度も跳ね返されていますが、バックアジャストでは先行スパン1のなかにつまり雲の中に遅行線がめり込んでいます。 |
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| 勿論、遅行線の形状・変化だけでエントリー・エグジットの判断をする訳ではありませんが、事実として、遅行線が26日前の実線や雲を通過するか否かはとても重要なことであると理解します。 |
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| 先限つなぎ足とバックアジャストの相違は当然に一目均衡表のみならず、すべてのテクニカル分析上直面する課題と思いますが、どのように解決すべきなのでしょうか。 |
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| お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。 |
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| SS |
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| -------------- <回答> -------------------- |
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| SS様 |
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| 「先限つなぎ足とバックアジャストの相違」というご質問ですが、先限つなぎ足にはご存知のように鞘という問題があります。特に季節的な変動要因が大きい銘柄(ガソリン、灯油、穀物等)においては、この鞘は無視できないほど大きくなります。 |
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| ですから、先限つなぎ足だけを見ていたのでは、相場の本当の変動を見誤ってしまう可能性があります。しかしながら、一代足では新甫発会後の期間が少ない場合は指標を描くことができません。そこで一番流動性の高い限月(国内商品の場合は先限、海外は期近)に乗換えを行ったと想定してつなぎ足を作成する、バックアジャストつなぎ足というものが必要になるわけです。 |
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| どちらが正しいのかと言えば、それは間違いなくバックアジャストつなぎ足となります。実際の損益をチャートに反映させるには、これしか方法はありません。 |
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| 先限つなぎ足は、過去の価格との比較において、心理的に影響を与える要因とはなりますが、限月間の鞘が全く反映されていませんので、実際の売買には適していません。もちろんこうした心理的な影響を知る上でも、一応先限つなぎ足を見ておく必要はあります。 |
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| 一代足で希望のチャートを描くことができればベストですが、おそらくチャートが描ける頃には、その限月の流動性が落ちてしまっており、売買の対象限月としては不適になっているはずです。 |
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| そういった意味からも、実際の売買における意思決定には、必ずバックアジャストつなぎ足が必要になるのです。 |
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| チャートにテクニカル指標を適用する際には、迷わずバックアジャストつなぎ足を利用して下さい。先限つなぎ足しか利用していない人が見えていない価格変化を、バックアジャストつなぎ足を利用している人は見えているのです。それだけでも優位性(Edge)のある売買が可能になります。EdgeTraderというチャートソフトは、その名前の通り、本来そういう優位性を見出すことを目的として作られているのです。 |
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| おわかり頂けましたでしょうか? |
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| 野川 |
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2006年2月21日
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| ■ 鞘取りの仕掛けに関する考え方@(市場エネルギーについて) |
| 鞘取りを仕掛ける場合、いつも同じ確率で勝てる可能性が存在しているわけではありません。トレンドフォロワーにとっては良好なトレンドの存在こそが重要であるのと同様に、鞘取りのトレーダーにとって優位性が存在するある特定の環境が存在しています。今回はどういう環境が「限月間鞘取り」にとって有利な環境であるのかについて考えてみることにします(製品と原料間のクラックスプレッドも基本は同じですが、説明が若干異なりますのでこちらは別の機会に説明します)。 |
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| まず最初に考えて頂きたいことは、どうして限月間の鞘が変動するかという原因についてです。長い期間における鞘の変化は、長期トレンドと同様、需給逼迫といったファンダメンタル的な変化の影響を受けます。それに対し短期的な鞘の変化は、短期トレンドと同様、市場内部のエネルギーがもたらす短期的な行き過ぎによって発生します。 |
| 日本の商品先物市場の場合、先限に大半の売買が集中しています。これにより、アップトレンドのときは先限が他の限月よりも買い上げられることが多くなります。逆にダウントレンドのときは、先限が他の限月よりも売り込まれることが多くなります。つまり常に先限は短期的にオーバーシュートする可能性を持っているのです。 |
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| こうした理由から、短期の鞘取りの場合は、通常はトレンドの方向とは逆方向に仕掛ける(アップトレンドでは先限を売り、ダウントレンドでは先限を買う)のが基本セオリーです。なぜなら鞘取りは、先限がオーバーシュートして行き過ぎた価格となったものが、適正な水準に戻ろうとするところに優位性を見出そうとする売買手法だからです。 |
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| *状況を理解しやすくするために、以降はアップトレンドのケースについてのみ説明していきます。 |
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| しかしながら、アップトレンドだからといって、価格上昇が継続している道中にブルスプレッド(近い限月を買い、遠い限月を売る)を組んでも、なかなか鞘修正は起こってくれません。鞘が反転するには、先限を買うエネルギーが出尽くしてしまう必要があります。 |
| エネルギーが出尽くしたかどうかを判断するには、鞘の水準も重要な要素ではありますが、それだけを見ていたのではなかなか的確にはわかりません。値動きをテクニカルに分析し、以下のポイントについてチェックする必要があります。 |
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| <ブルスプレッドを組む場合の判断材料> |
| @ オシレータで見た短期乖離率が買われ過ぎを示しているか |
| A 長大陽線が出現しているか |
| B 新高値を更新しているか |
| C これまでも増加していた取組高が更に急増しているか |
| D 出来高が急増しているか(出来高%が異常値を示しているか) |
| E 短期ボラティリティーが急増しているか |
| F RMGターゲットを達成しているか |
| G チャネルの上限に達しているか |
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| つまり、相場が買われ過ぎ状態にあって、いつ反落が起こってもおかしくないという状態にあるときにのみブルスプレッドを仕掛けていくべきなのです。 |
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| 私はいつも、「相場は有るところからしか取れない」という表現を使いますが、これは取るべきエネルギーが存在しているところからしか利益は得られないという意味です。 |
| これからエネルギーが膨らんでいく相場では、どこまで市場のエネルギーが膨らみ続けるかはわかりませんが、膨らんだエネルギーが弾け始めた相場では、膨らみ過ぎたエネルギーの分だけは確実に市場が収縮しますので、取るべき対象となるエネルギーの存在は明確となります。 |
| つまり鞘取りにおいて、「有るところ」とは市場のエネルギーが膨らんだところということになります。特に短期の鞘変化を狙った鞘取りの場合は、市場の内部要員から見たエネルギーの拡大と縮小を捉える売買手法が有効になります。 |
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| また、基本的に日本の先物市場に上場されている商品は、日本が輸入国であるものばかりですから、投機とヘッジポジションの組み合わせは、必ずといって良いほどヘッジ売りと投機買いの組み合わせとなります。ヘッジャーである商社の売買は、自ら仕掛けるものではなく、投機が過剰に買い上げて、輸入元の海外相場との比較で、ヘッジを掛けても良いと思える水準になったときに売りを仕掛けていきます。つまり、ヘッジ売りが入る状態というのは、常に投機が割高を買っている状態なのです。 |
| 商社のヘッジ売りポジションは、反対売買としての手仕舞い買いを行う、あるいはそのまま現物を渡すという、二つの選択肢を持っていますが、投機の買いポジションは通常は手じまい売りしか選択肢を持っていません。もし海外相場との鞘が縮小しない場合は、先物を手仕舞い売りしてしまいますとヘッジポジションの損失が膨らみますので、商社は現物を渡してきます。こうしたオペレーションから考えても、投機によって過剰に買い上げられた先限のエネルギーは、最終的に先物市場では売りのエネルギーに変わっていく宿命を持っているのです。 |
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| このように考えますと、日本の先物市場における限月間鞘取りは、買われ過ぎた先限を売り、その手前の限月に買いポジションを持って鞘を掛けるというのが基本となることがおわかり頂けると思います。必然的に先限においては商社のヘッジポジションと似通った売買を行うことになってしまいます。 |
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| ただし、この基本パターンが崩れる場合が稀にあります。それはファンダメンタル的な変化が非常に大きい場合です。例えば今回のエネルギー市場がそうです。以前は買われ過ぎた先限を売って、手前限月に買いポジションを持つことさえ考えておけば、とりあえずはどうにかなったのですが、昨年後半からの世界的なエネルギー需給の逼迫により、将来の価格水準が継続的に上昇し続ける可能性が高いという環境が出現しました。そのため常に逆ザヤであったNYの原油相場の6ヶ月先物が、順鞘化してきました。(海外市場の場合、期近限月が売買の中心なので、通常の上昇相場では逆ザヤが拡大する。日本の先物市場とは構造が異なる) |
| このような特別な状況になりますと、膨らんだエネルギーが収縮する期間は短く、すぐに更に膨らむという状況が続き始めます。こうした強いファンダメンタル的変化が続いている場合は、通常の鞘の水準で買われ過ぎ状態を確認して仕掛けても、なかなか修正が発生しません。頭を切り替えて、ファンダメンタルのバイアスを考慮し、新たな水準を模索していくしかないのです。 |
| 逆に言いますと、ファンダメンタル的な変化が、明確な市場エネルギー拡大の継続性を示しているときは、基本パターンとは異なり、修正安状態にある先限を買い、それより手前の限月に売り鞘取りポジションを持つといった反対方向の鞘取り(ベアスプレッド)も有効だということです。 |
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| 鞘取りの売買も決して簡単ではありませんが、トレンドの方向性を見極めることに比べれば、市場エネルギーの拡大と縮小を見分けることの方が、比較的容易だと思います。これはトレンドの方向性の認識よりも、ボラティリティーの拡大と縮小局面の認識の方がやや容易であるのと同じ理屈になります。 |
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| 相場において最も大切なことは、「何故それは起こるのか」を考え続けることです。今回ここで説明したのは、限月間鞘取りにおける基本的な考え方ですが、鞘取りにおいても、その鞘の変動原因を考え、そこからアウトプットされる結果を推測していくというプロセスが非常に重要です。結果は突然降って湧いたようにやってくるのではなく、必ずそこには原因が存在しています。この因果関係に気付いた人だけが、勝利を手にすることができるのです。 |
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2006年01月30日
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| ■ クラックスプレッドに関する質問の回答(2006年1月30日) |
| レポートに関する質問ですので、私(野川)がお答えさせて頂きます。 |
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| > 1/21号の灯油のクラックスプレッドで、「月曜はストップ高 |
| > になる可能性があるので、手仕舞いはまず灯油の売りポジション |
| > の手仕舞いが入ったことを確認してから、原油の買いポジション |
| > を手仕舞いすることを薦める」とありました。さや取りは同時決済 |
| > が基本と言われてますが、決済に時間差をつける理由はなんですか? |
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| この質問をされたということは、失礼ながら実戦経験がおありではないと拝見し |
| ましたが、如何でしょうか?以下に答えを書いておきますので、単純なことです |
| から、答えを見る前にまずはご自分でも理由をよくお考えになってみて下さい。 |
| こういうことについて考えることが、実は相場の中で生き残っていくためには非 |
| 常に重要なことなのです。 |
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| <ストップ時に同時決済を行わない理由> |
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| 寄付き前に成行きで同時決済の注文を出した後、寄付きから張り付きのストップ |
| 高になり、大引けまでその状態が続いた場合、買玉は確実に手仕舞いとなります |
| ので、売り玉だけが残った片建て状態のまま、翌日を迎えなければなりません。 |
| そういうリスクを避けるために、ストップ高やストップ安になりそうな場合は、 |
| 必ず不利な方の売買ポジションが入ったことを確認してから、簡単に入る方のポ |
| ジションの手仕舞いを行うのです。 |
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| ちなみに、私の下で働いていますプロのディーラー達は、一般投資家のように成 |
| 行き注文は出しませんので、決して同時仕掛け、同時仕切りとはなりません。成 |
| 行き注文を出すと、ビッドとアスクのスプレッド分だけ不利になりますので、通 |
| 常は有利な指値を置いておき、それがヒットしたらもう一方の銘柄を成行き、あ |
| るいは指値で売買します。 |
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| 同時仕掛け、同時仕切りが鉄則と書いてある本がありますが、現実はそんなに単 |
| 純なことではありません(今とは環境が異なる古い時代に書かれた本であったり、 |
| アマチュア投資家の書いた本であると思います)。少しでも有利な売買を行うに |
| は、もっと細かい気遣いが必要になります。(実際にやってみればすぐにわかる |
| ことです) |
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| > また、1/28号の同じく灯油のクラックスプレッドで、「徐々に流動性 |
| > の点において売買が厳しくなりつつある」とありますが、仕掛けの対象 |
| > である灯油7月限及び原油6月限の流動性はまだまだ問題ないと |
| > 思いますが、この「流動性において厳しい」という根拠は何ですか? |
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| 実際に場中の板を見ながら売買されたらわかると思いますが、出来高があるよう |
| に見えても、場中のビッドとアスクのスプレッドは、灯油と原油の5番限よりも |
| 手前では非常に大きくなっていきます。もし板画面をご覧になったことが無いの |
| であれば、気付かれないかもしれませんが、流動性に問題のある銘柄の鞘取りを |
| 行う場合は、必ず板を見ながら売買しませんと、非常に大きなスリッページを覚 |
| 悟しなければならなくなります。特に一方が特別気配となっているときに、それ |
| に気付かずに成行き注文を出してしまいますと、ひどい場合は注文を入れたとき |
| から500円以上のスリッページがついてしまうことがあります。 |
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| 枚数が少なければそれでも問題は少ないのかもしれませんが、少し多くなると、 |
| 灯油と原油の5番限より手前は急激に売買が難しくなってきます。また、原油の |
| 7月限が発会し、灯油8月限とのクラックが可能になり始めると、一気に原油6 |
| 月限の流動性が落ちてきて、灯油7月限、および原油6月限のそれぞれのビッド |
| とアスクのスプレッドが拡大します。 |
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| 5枚以内で売買するには問題ないかもしれませんが、多めのポジションを組むと |
| すぐに思うような売買が難しくなるのです。実際に場中に板画面を見ながら売買 |
| しておられるなら、そう感じられると思うのですが。 |
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| 流動性のリスクについて配慮されている投資家の方は以外に少ないのですが、私 |
| の配下のディーラー達のように大量の売買を行うディーラーにとっては、流動性 |
| があるかどうか、スリッページが低いかどうかといったことは、非常に重要なファ |
| クターなのです。 |
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| 野川 |
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2006年01月20日
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| ■ 会員の方からの質問に対する回答 |
| 今回は、1月8日にエッジトレーダーの会員の方から頂いたメールに対して、私が回答した内容をコラムにアップさせて頂きます。相場を考える上での参考にして頂ければと思います。 |
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| K様 |
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| いつもご利用ありがとうございます、野川です。早速下記の質問にお答えさせて頂きます。 |
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| > お世話になります。 |
| > Kと申します。 |
| > 本年もよろしくお願いします。 |
| > |
| > レイダースレポートでのご質問です。 |
| > ドル円ですが、1月4日にエントリーということだったのですが、115.9で |
| > 始値と終値が同値とおもうのですが、同値の場合は陰線引けと判断した |
| > ということでしょうか。 |
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| 為替の場合、実はデータにいくつかの問題を抱えています。本来は小数点第二位までの1銭単位で表示されなければならないのですが、時事通信社からのデータをタイコムのデータサーバーに変換するプログラムにエラーがあり、小数点第二位以下の数値が表示されません(これは為替以外の銘柄においても同様です)。これを修正するように過去において何度も依頼してきたのですが、タイコムは対応してくれません。そのため、今年はできる限り早く他のデータソースによるデータ提供を始める準備を進めています。 |
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| 上記の理由により、同値の場合はどちらか判断つかないので、とりあえず望ましい値動きがあったと想定して判断しています。 |
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| それから、そもそも線の陰陽の意味について考えて頂ければおわかり頂けると思いますが、寄付きから大引けまでの幅が狭い場合、線の陰陽はあまり意味を持ちません。そうなると終値の位置だけが一番意味を持つようになります。 |
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| そういう総合的な判断です。 |
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| > 1月6日(金)に東京とうもろこしが買いで中期トレンド法でエントリーになった |
| > と思うのですが、レポートで採用されていない理由は何かありますか。 |
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| この件につきましては、下記掲示板の11月10日の私の回答を参考にして下さい。 |
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| http://www.investechno.com/cgi-bin/keijiban.cgi?page=1 |
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| 尚、レポートは単純にお金を儲けることを目的にはしていません。利益だけが目的であれば、自分で売買されるのはやめて、ファンドを購入された方が簡単です。 |
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| そうではなくて、最終的には自分で自立して売買できるようにするために、レポートを通じて売買に必要な考え方を学んでいただくことが目的です。中期売買法は、スイングトレードの手法の内の一つの例です。同じスイングトレードでも他にいくつも方法はあります。しかし、大切なのは中期売買法で説明されている考え方なのです。 |
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| そういう考え方を理解して頂くためには、銘柄数を多く増やすよりも、特定の銘柄に絞って、それが損切りになろうが、利食いになろうが、継続的にフォローしていくことが大切だと考えています。 |
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| > 最後にもうひとつ中期売買法についてのご質問で、この方法で現在売買 |
| > させていただいているのですが、中期売買法においての銘柄による適、不適 |
| > 等、年間勝率等の統計データ等ありましたら教えていただけないでしょうか。 |
| > それほど多くない資金のため、1枚単位で中期売買法にて行っているので |
| > 可能な限り過去の統計的に、リスクの少ない銘柄のみ中期売買法にて |
| > 投資できたらと思っています。 |
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| 綿密な統計データは持っていません。それは、中期売買法は道具のひとつだからです。今年の後半には、システム売買を構築するためのシミュレーションソフトを提供していく予定ですが、売買システムの有効性を統計的に確認するには、そういうアプリケーションを用いて、効果的な環境認識を加えた上で、流動的、または固定的なポートフォリオで売買した結果をシミュレーションできるようにする必要があります。 |
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| 中期売買法が機能するためには、トレンドの継続性が一番重要になります。これを判断できる方法があれば、勝率は極めて高くなることは理屈で考えてもおわかりになると思います。しかし、どの銘柄においてトレンドの継続性があるかということは、残念ながら簡単には判断できません。 |
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| ですから、効果的な環境認識をいかにシステマティックにできるようになるかが、最大のノウハウとなります。そして残念ながら、現時点では私はそれをシステマティックに行う方法論を持っていません。 |
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| こういった部分があるからこそ、システムはなかなか人間に勝てないのです。 |
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| 中期売買法をどの銘柄に適用するかは、あくまでも私の経験に基づく判断によります。逆に言いますと、それを巧みに判断できる人が、高い勝率と高いパフォーマンスを獲得できるのだと思います。 |
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| つまり、特定のポートフォリオで機械的に売買していくわけではなく、常に対象銘柄は流動的に変化してきますので、現在の段階では統計的に正確な検証を行うことができないのです。 |
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| 長い実際の売買経験から作り上げた中期売買法ですので、銘柄選択さえ的確であれば、きちんとツールとして機能することは保証します。ただし、銘柄選択の優劣が勝率を左右するということは理解しておいて下さい。 |
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| 希望される答えにはなっていないかもしれませんが、言わんとすることは理解して頂けるのではないかと思います。 |
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| 野川 |
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